地球のラテール

ラテールとアースセイバー
レッドリスト
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ユキヒョウ
Snow Leopard

ユキヒョウSnow Leopard

特徴

ユキヒョウの特長は、長いしっぽと大きい足。しっぽは、ユキヒョウが生活する急斜面で岩だらけの地形でバランスを取るために使われます。また、大きく毛深い足は、かんじき(雪国で使われる、雪の中に足が深く入るのをさけるために、足に付ける道具)のように機能し、雪の上でも歩きやすくなるために大きく成長したものです。

住んでいる場所

ユキヒョウは、南はヒマラヤ山脈から青海(チンハイ)省・チベット高原、中央アジアの山々を越え、北は南シベリア山脈まで、標高3,000mから5,000mを超える山岳地帯に暮らしています。野生のヤギ、マーモット、ナキウサギ、ノウサギ、ネズミ類、鳥類などを食べて生きています。

なぜ減少しているの?

1つ目は、ユキヒョウに飼っている動物を食べられないように、または仕返しとして人が殺していること。2つ目は、美しい毛皮や体の一部を不正に販売するために、密猟が起きていること。3つ目は、気候変動や人間が柵で囲まれた道路や線路、建物を作ることで、食べ物が減ったり住みかを追われたりしていることです。

アフリカマルミミゾウ
African Forest Elephant

アフリカマルミミゾウAfrican Forest Elephant

歴史

かつて地球に存在した16種のゾウ類のうち、アジアゾウ、アフリカサバンナゾウ、アフリカマルミミゾウの3種のみが現在も生きています。アジアゾウとアフリカサバンナゾウとアフリカマルミミゾウの先祖は約700万年前まで同じ種類のゾウでした。今では住む場所によってアジアゾウ、アフリカゾウ、さらにサバンナゾウとマルミミゾウに分類されます。

住んでいる場所

アフリカマルミミゾウは、西アフリカや中央アフリカの熱帯林、陸地の低地湿潤林、湿地林、アフリカ山地林の下流域、乾燥林、森林サバンナなど、多様な森林で暮らしています。ゾウは、多くのアフリカの人たちにとって、とても大切なシンボルであり、数多くの物語、歌、そして伝統文化を生み出しています。

なぜ減少しているの?

ゾウの減少理由は人間による密猟です。むかしから象牙は世界中で多く利用されてきました。象牙目的の密猟はアフリカマルミミゾウの主な死因となっています。密猟は現在も続いています。また、近年では周辺の人口が増え、農地や道路、ビルや建築が増え、人間がゾウの住む場所を奪ったり、エサ場に行けなくしてしまっています。

アラビアオリックス
Arabian Oryx

アラビアオリックスArabian Oryx

特徴

アラビアオリックスは、草木が生えない荒原や、石が多い平原、水が枯れた谷、砂丘など、さまざまな砂漠地帯で暮らしています。湿度が低く、雨が少なく、砂嵐が起きたり、気温が45℃を超えたりするような地域でも生きることができ、最大6ヶ月間の干ばつにも耐えることができます。

住んでいる場所

かつてのアラビアオリックスは、アラビア半島の大部分、北はクウェートとイラクまでの場所に暮らしていました。20世紀の初めには住む場所が小さくなり、最後の野生のアラビアオリックスは、1972年に射殺されたと考えられています。現在は、オマーン、サウジアラビア、イスラエル、UAEの保護区に加えて、バーレーン、カタール、UAE、サウジアラビアで、管理された放牧の群れが暮らしています。

なぜ減少しているの?

大きな問題は密猟、過放牧、干ばつの3つ。保護区内では安全に暮らせるはずですが、オマーンのアラビアオリックス保護区で、個人コレクションへの販売を目的とした密猟が起こり、完全に守ることができなくなりました。密猟者は、3年間で少なくとも200頭ものアラビアオリックスを駆除または殺害しています。

コアラ
Koala

コアラKoala

特徴

コアラは樹上性の葉食性有袋類(カンガルーのようにおなかに袋を持っている動物)です。森や林で暮らし、内陸部の乾燥しがちな地域では、主に川のそばの林で暮らしています。コアラの食べ物は、ユーカリの葉。コアラは主に一匹で生活していますが、活動エリアは似ているので、隣のコアラとは近くで暮らしているようです。

住んでいる場所

コアラはかつて、オーストラリアのクイーンズランド州北部から南オーストラリア州本土の南東部まで、ユーカリがたくさんしげる広大な森林地帯に広く生活していました。オーストラリアにやって来たヨーロッパ人が街をつくり始めたことで、広大な森林が失われたため、住める場所が大きく削られています。

なぜ減少しているの?

かつてコアラは毛皮目的の狩猟によって、数百万頭が殺されました。他にも、病気や森林火災、そして広範囲にわたる住みかの破壊が原因で数が減っていきました。現在の危機としては、住みかの破壊が続いていること、犬に食べられてしまうこと、車両との衝突、森林火災、病気、追いやられた住みかの干ばつ(水不足)での死などが考えられます。

ジャイアントパンダ
Giant Panda

ジャイアントパンダGiant Panda

特徴

食肉目に属するパンダは、竹を主食とするよう進化してきました。ジャイアントパンダは1日に最大12.5kgもの大量の竹を食べます。しかし、他の草食動物とくらべて、ジャイアントパンダの体は肉食のなごりがあるため、植物の消化が苦手。食事には、1日で約14時間という長い時間がかかります。

住んでいる場所

ジャイアントパンダの住みかは、長きにわたって人間によって追いやられたことで、小さくなっています。かつてパンダは標高1,000m以下の森林で暮らしていましたが、今は、標高1,000mから4,100mの険しい山岳地帯で暮らしています。1949年以降加速している中国の工業化は、パンダの住みかを縮小する原因となってしまいました。

なぜ減少しているの?

ジャイアントパンダは赤ちゃんを生む数が少なく、増えにくい動物です。かつては、主な原因は密猟でした。中国政府が密猟を禁止し、厳しい罰則を取り決めたことで、密猟は減少しました。今ジャイアントパンダが直面している最大の問題は、住みかが無くなっていることです。人間の道路、ダム、鉱業、その他の建物によって住める場所が奪われたことが、ひきつづき問題となっています。

ナポレオンフィッシュ
Humphead wrasse

ナポレオンフィッシュHumphead wrasse

特徴

全長は約111cm、最大で2mにもなるサンゴ礁に住む魚の中でも一番大きい魚。サンゴ礁やその周辺、海藻がしげる場所、マングローブ林などで暮らしています。ナポレオンフィッシュは約30年生きます(メスはオスよりも長生き)。さまざまな軟体動物、魚類、ウニ、エビやカニなどの甲殻類などを食べ物とします。

住んでいる場所

ナポレオンフィッシュは、インド洋西部および紅海から日本南部、ニューカレドニア、そして太平洋中部まで、熱帯インド太平洋の広い範囲にわたるサンゴ礁および陸の近くの水深100m未満の浅い海で暮らしているようです。多くのダイビングスポットで、ダイバーに人気な魚です。

なぜ減少しているの?

もともと卵を産めるようになるまでに6年ほどかかり、簡単には増えにくい魚なのですが、ナポレオンフィッシュにとってなくてはならないサンゴ礁が、人の活動によってダメージを受けています。一部の地域でおこなわれている漁法が生きたサンゴを死滅させる大きな原因になっています。また、泳いでいる水深が浅く捕まえやすいので、食べるために生け捕りにされています。

アオウミガメ
Green Turtle

アオウミガメGreen Turtle

生活

アオウミガメは砂浜で産まれ、海藻がしげる栄養豊かな海に移動し、そこで食べ物を採り、大人になるまで成長します。アオウミガメの母親は、夜間に砂浜にはいあがり、穴をを掘り、卵を産みます。その後、卵からかえった子ガメは海へと走り、海での生活が始まります。長生きするものは90歳まで生きることもあります。

住んでいる場所

アオウミガメは全世界に分布しており、熱帯や亜熱帯の水辺全体で生息しています。アオウミガメはよく移動する動物で、いろんな場所を旅して、移動しながら暮らしています。産卵は世界中で80カ国以上でおこなわれています。

なぜ減少しているの?

もっとも大きな問題は、人が捕まえてしまうことです。巣から卵や成体(母親)、食べ物をとる場所から幼体(子供)や成体(大人)を捕まえています。残念ながら、アオウミガメが大幅に減少しているにもかかわらず、いくつかの国では捕まえることが依然として合法です。また、建物の建設、海岸の工事、砂の採取、照明で明るくするなど、卵を産む砂浜の変化なども大きな影響があります。

キンイロアデガエル
Golden Mantella

キンイロアデガエルGolden Mantella

特徴

鮮やかなオレンジ色、または赤色のカエル。キンイロアデガエルの子供は雨で流されながら移動し、湿地や水たまり、浸水林などを通って、最後にたどり着いた大きな池で成長していきます。キンイロアデガエルはある程度、環境の違いには耐えられるようで、植物の種類の違いや生活範囲が違う、さまざまな場所で暮らしています。

住んでいる場所

キンイロアデガエルはマダガスカル島の中央東部にあるムラマンガ地区でのみ暮らしています。標高867~1,065m、中高度の湿潤林で暮らしています。大人のキンイロアデガエルは南半球の冬(日本では夏)に、池周辺の森林内の落葉、枯れ木、樹木の根元の空洞などで見つけることができます。

なぜ減少しているの?

キンイロアデガエルは現在、人間が入り込んだことにより、少なくなった森林の一部で暮らしています。また、残っている森林も、農業、木材伐採、合法および違法な天然資源採取、火災、そして拡大する人間の住む場所によって破壊される危険にさらされています。

ケツァール
Resplendent Quetzal

ケツァールResplendent Quetzal

特徴

ケツァールは通常、手つかずの自然で湿潤、緑深い森林にあらわれます。ときには、森林の近くにある樹木のある公園のような開けたところや牧草地に食べ物を探しにくることもあります。食べ物は、主に果実で、クスノキ科の約18種の実を食べています。他にも昆虫、小型のカエル、トカゲ、カタツムリも食べるようです。

住んでいる場所

世界一美しい鳥といわれるケツァールは、霧や雲が多く、ジメジメとした山林に住んでいます。メキシコ南部、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ西部、そして東はベラグアスのサンアントニオ山で暮らしています。

なぜ減少しているの?

住みかがある場所の森林を切り開き、分断してしまったことが、主な原因です。暮らしている周辺地域では、木が切り倒され、農場や家畜の牧草地へと作り変えられているのです。また、むかしから観賞用として美しい羽毛を狙って捕まえられ、いまでも売り買いの対象になっています。メキシコ南部など一部の地域では、狩猟の対象にもされています。

メキシコサンショウウオ
Axolotl

メキシコサンショウウオAxolotl

特徴

水質の変化に敏感で、産卵には植物などが必要なので、水生植物が豊富な深い湖や人工の水路などで暮らしています。おたまじゃくしのような形で、一生水中で生活し、カエルのように姿を大きく変えることはありません。大人になるまで約1.5年と考えられており、飼育した場合、約10年生きることもあります。

住んでいる場所

もともと、メキシコの中央渓谷全域にわたる湖や沼、湿地帯、とくにソチミルコ湖やチャルコ湖で暮らしていることが知られていましたが、その地域ではほとんど姿を消しました。現在はメキシコ中部、メキシコシティ南部のソチミルコの運河、チャルコ湖、チャプルテペック湖の3地点でのみ存在が確認されています。

なぜ減少しているの?

地域の都市化と観光客が増えたことで、ソチミルコとチャルコの湖の干ばつと汚れたことが、最大の危機です。他にも、メキシコサンショウウオはかつて人気のペットで、現在では国際取引されているすべてのメキシコサンショウウオは飼育されたものだけと考えられていますが、むかしは国際ペット取引のために捕まえられていました。

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